根管治療のうえ上顎10歯をセラミックで治療した審美歯科
50代
男性 / 2019年7月 症例
治療前(上顎 右奥歯)
治療後(上顎 右奥歯)
治療前(上顎 前歯)
治療後(上顎 前歯)
患者さんは50代の男性で、検診でご来院されました。その後、右上の奥歯の歯肉が退縮し歯根が露出している部分の治療を希望され、根管治療、審美治療を開始しました。
その後、前歯の根尖病巣にともなう根管治療と左奥歯の審美治療もご要望いただき、約半年間で計10歯の審美歯科治療を終えました。
治療ステップ
ステップ 1
初診時
右上の奥歯の歯根が露出していました。
初診では患者さんの生活習慣などを伺いながら、検診を進めました。その結果、右上の奥歯の歯根が歯肉退縮により露出していました。その他の歯も同様に臼歯部の咬合負荷と予測される歯肉退縮が見られました。痛みなど自覚症状はないとのことで、初回は検診とクリーニングで終了しました。
ステップ 2
現状と治療計画
2回目のご来院ではクリーニングの後、院長診断とトリートメントコーディネーター(TC)による約30分のコンサルティングを行いました。
歯に対する意識が高い患者さんで、広範囲でのセラミックによる歯科治療をおこなわれていました。ただ噛み合わせに問題があり、奥歯に大きな負担をかけていました。ただし自覚症状がないということで、ご本人の希望もあり定期メンテナンスの継続と経過観察を希望されました。
10ヶ月後にご本人より歯ぐきの退縮により歯根が露出している奥歯がやはり気になるので治療をしたいと改めてご希望を頂きました。単に審美的な改善だけであれば、セラミッククラウンを作り直すだけで可能ですが歯の根元が感染(根尖病巣)しているため根管治療が基本治療となる旨をご説明しました。
歯周病も進行しているため、最悪の場合は抜歯になるリスクもあるとお話ししたうえで、根管治療からやり直したいとご意向を頂きました。
続いて、約2ヶ月後に奥歯の噛み合わせ不具合の根本原因となっていた前歯も、しっかり治療なさりたいというご希望を頂き、お口全体の改善に向けた治療計画をお作りしました。
●右上6番
歯根破折の近心根のみ抜歯・根管治療
ファイバーコア築造・ジルコニアセラミッククラウン
●右上1~3番
抜歯(右上2番)・根管治療・ファイバーコア築造・ジルコニアセラミッククラウンのブリッジ
●左上1~3番
根管治療・ファイバーコア築造・ジルコニアセラミッククラウン
●左上4,5,6番
ジルコニアセラミッククラウン
ステップ 3
奥歯(右上6番)の根管治療
近心根のみ抜歯して根管治療
根管治療を進めると3つある根のうち、頬側(ほっぺたの側)の手前側の根(近心頬側根)にヒビが入っていることがわかりました。近心頬側根のみ分割抜歯をして残り3分の2を残すか、歯を1本抜歯するか、それぞれのメリット・デメリットを説明したうえで、近心頬側根のみ抜歯をおこない残りの根の根管治療後、ファイバーコアを製作しました。
ステップ 4
奥歯(右上6番)
セラミッククラウンのセット
分割抜歯後に製作するクラウンは通常のものに比べ若干特殊な形態となるため、抜歯後の歯肉の治癒を待つ間に仮歯(プロビジョナル)をセットして、審美的、機能的な部分の確認を約1ヶ月間行いました。ご本人の不都合はなかったというお話しと院長による経過確認の後、セラミッククラウン作成に入りました。
根管治療の開始から3カ月後、セラミッククラウンをセットしました。
ステップ 5
前歯6歯の根管治療
その後患者さんより前歯も治療をしたいとご希望を頂き、継続して上顎の前歯を含む6本のセラミッククラウンを除去し仮歯に置き換えました。
歯ぐきにあるニキビの様な膨らみは膿の袋(フィステル)で、前歯(右上2番)の根元が感染(根尖病巣)して排出された膿が歯ぐきに現れているためにこのようになっています。
残念ながら前歯(右上2番)は根が破折していることが分かったので抜歯となりました。残りの歯の根を丁寧に根管治療で清掃、消毒していきます。約1ヶ月後にファイバーコアの印象を行いました。
右上6番の治療と同様に前歯の治療も仮歯(プロビジョナル)の期間をしっかりととり、歯周組織の改善や噛み合わせの適合、習癖(かみ癖や筋肉の癖)を新しい歯の形になれさせていきます。約2ヶ月後に抜歯した前歯(右上2番)の歯周組織、骨の治癒を確認して、セラミッククラウンの印象を採取しました。
ステップ 6
セラミックブリッジと
クラウンのセット
前歯6歯へのセラミックブリッジとクラウンのセット
歯ぐきも引き締まってピンク色になり、問題を抱えていた前歯(右上2番)の膿の袋も改善しています。今回は前歯の噛み合わせが悪く、奥歯に過度の力が加わることでお口全体のバランスを崩していたため、前歯による噛み合わせの誘導(アンテリアガイダンス)の回復にも注力しました。
抜歯した前歯(右上2番)をはさむ右側の3本はセラミックブリッジ、残る左側の三本はクラウンをセットしました。前歯がある程度の力を受け止める役割となることから、予後と清掃性を考慮した上でその力に耐えうるセラミックの形態と機能性に配慮しています。
ステップ 7
上顎左3歯の審美歯科治療
前歯6歯の治療の過程で患者さんより、同様に左上の4番、5番、6番も審美的に気になるので治療したいと希望を頂いていたため、セラミッククラウンで治療をおこないました。
このように上顎10歯の審美的・機能的治療と咬合の改善を終えた後、ナイトガードを製作しました。定期検診を続けながら経過観察を続け、よりよい予後を患者さんと二人三脚で目指していきます。
治療費
奥歯(右上6番) | ||
---|---|---|
プロビジョナル(仮歯) |
||
1歯 | ¥3,000 | |
ファイバーコア | ||
1歯 | ¥15,000 | |
ジルコニアセラミッククラウン | ||
1歯 | ¥120,000 | |
前歯(右上1~3番 左上1~3番) | ||
プロビジョナル(仮歯) |
||
¥5,000 × 6歯 |
¥30,000 | |
ジルコニアセラミックブリッジ | ||
¥120,000 × 3歯連結 |
¥360,000 | |
ファイバーコア | ||
¥15,000 × 4歯 |
¥60,000 | |
ジルコニアセラミッククラウン | ||
¥120,000 × 3歯 |
¥360,000 | |
左奥歯(左上4~6番) | ||
プロビジョナル(仮歯) | ||
¥3,000 × 3歯 |
¥9,000 | |
ファイバーコア | ||
¥15,000 × 3歯 |
¥45,000 | |
ジルコニアセラミッククラウン | ||
¥120,000 × 3歯 |
¥360,000 | |
ナイトガード | ||
1装置 | ¥30,000 | |
合計(税抜) | ¥1,392,000 |
※費用は治療当時のもので現在と異なります。
※サイト内コンテンツの過去症例等については、掲載時点の消費税率、または税抜き表示で表記している内容が一部ございます。
※保険外診療による治療費用を明記しています。
※費用は、歯・口腔内の状態によって異なります。
※根管治療が必要な場合は別途費用が必要となることがあります。
リスク・副作用
治療中に一時的な咬合痛や冷温水痛、若干の歯肉の腫れ、発赤などを生じることがあります。また仮歯の時期には仮歯の脱離や破損の可能性、舌感などに違和感を感じることがあります。
※すべて症例による違いや個人差があります。
治療担当
医師:宮本 庸一
歯科衛生士:内藤 恵
トリートメントコーディネーター:宮本 秀子
症例紹介について
宮本歯科では厚生労働省が定めた医療機関ホームページガイドライン、ならびに医療広告ガイドラインに則ったホームページでの情報提供を実践しています。
ガイドラインでは、単純な術前術後の写真等、いわゆる「ビフォーアフター」を原則として(利用者保護の観点から)掲載を禁止していますが、患者さんの不利益にならないように要件を満たしている場合は、術前術後の写真等について広告(ホームページへの掲載)できるとされています。
より詳しい宮本歯科の医療広告ガイドラインの取り組みについては、「医療広告ガイドラインの遵守について」をご覧ください。