上顎前歯4歯をセラミッククラウンで治療した審美歯科
50代
女性 / 2024年9月 症例
治療前
治療後
患者さんは50代女性で、転倒した際に左上の前歯が欠けてしまったため、治療をしたいとのことでご来院になりました。この際に上顎前歯の審美的改善のご希望があり、上顎前歯4歯のオールセラミッククラウンでの審美歯科治療を行いました。
治療ステップ
ステップ 1
再診時
左上1番の切端部から遠心部にかけて大きく歯が欠けています。
歯の先端で力がかかる部分なので、欠けた部分だけをレジン充填で治療をしても脱離や破折のリスクがあります。
レジン以外の選択肢としてはクラウンが考えられますが、左上1・2番が大変近接しており、重なっている部分が多いため、左上2番を傷つけないように1番のみの形成を行うことは大変困難となります。
また左上2番の歯冠の重なりが大きいのでクラウンの着脱方向が確保できず、クラウンでの治療も困難です。
患者さんは以前から上顎前歯の歯列不正の改善を望まれていたので、理想は矯正歯科治療であることをご説明していましたが、矯正治療は考えていないとのことでした。これを機に破折した歯を含めた上顎4前歯の審美歯科治療をご希望なさいました。
ステップ 2
現状と治療計画
上顎右上1番と左右2番の3歯は通常であれば治療する必要はありませんが、左右1番の捻転を改善し、上顎の歯列を審美歯科治療で改善するためには左右2~2番の4歯の治療が不可避です。
クラウンを製作するためには歯牙の削合による知覚過敏などのリスクがあることなどデメリットもご説明しました。歯をまとめて集中治療することでスペースを確保する自由度が上がり、患者さんご自身がご希望されている歯列改善も含めた審美歯科治療が可能であるとご提案しました。
左右1番が捻転しており、現在のスペースに2歯を重ねることなく収めることはできないことが分かります。
側方から見ると上顎前歯が捻転しているため遠心側が前方に出ていることが分かります。生活歯(神経がある歯)のまま歯の方向を変えるには限界がありますが、4歯をまとめて集中治療することで捻転の改善はある程度可能であると診断しました。
審美歯科治療というのは通常の虫歯治療とは違い、患者さんご自身がメリット・デメリットをしっかり理解した上で、ご自身が満足する治療であるべきです。
満足のできる治療にするためにはどうするべきか、それをご提案し、ご理解して頂くまでしっかりとご説明をするのが大切だと考えます。
●右上1・2番/左上1・2番
・セラミッククラウン
ステップ 3
プロビジョナル製作
歯列改善も含めた審美歯科治療となるのですが、どのような歯列や歯の大きさになるのか患者さんご自身はなかなかイメージが湧きません。
実際にどのようになるのかをシュミレーションして頂くために、仮歯を製作します。
左右1・2番の歯の重なりを完全になくすことはできませんが、Vの字になっている歯列や捻転している前歯をある程度内側に入れることが可能となります。
ステップ 4
オールセラミッククラウン印象
上顎左右1番は歯牙の方向を変えなければならず、生活歯のため、露髄(神経が露出すること)しないよう細心の注意を払いながら治療を行います。 特に審美に影響するマージン(歯茎との境目)部分の精度が高い歯型を製作するため圧排糸をそれぞれ2本ずつ歯肉の中に埋め込んで印象採得をします。
患者さんにはご辛抱をお願いしますが、デジタルスキャナーによる印象は現時点では宮本歯科での審美歯科治療に求める精度に達していないため、従来のシリコンを使用した精密印象を行っています。
セラミッククラウンの色は下顎前歯よりも少し白めをご希望されました。
印象後、4歯にプロビジョナルをセットします。
プロビジョナルは脱離のリスクや治療の利便性を考慮して連結して作っていますが最終的なクラウンはすべて単冠で製作します。
ステップ 5
セラミッククラウン製作
セラミッククラウンはすべて単冠で製作しました。
歯列不正もかなり改善されているのが分かります。
ステップ 6
セラミッククラウンセット
約2週間後、セラミッククラウンをセットしました。
歯列や歯の形態、色などをご確認頂き、ご希望通りに仕上がっていると大変ご満足いただきました。
食いしばりの自覚があるとのことで、ナイトガードの製作も行いました。
治療費
プロビジョナル | |
¥11,000 ×4歯 | ¥44,000 |
オールセラミッククラウン | |
¥176,000 ×4歯 | ¥704,000 |
ナイトガード | |
¥33,000 ×1 | ¥33,000 | 合計 | ¥781,000 |
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※費用は治療当時のもので現在と異なります。
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※治療費は全て税込の価格となっております。
※保険外診療による治療費用を明記しています。
※費用は、歯・口腔内の状態によって異なります。
※根管治療が必要な場合は別途費用が必要となることがあります。
リスク・副作用
治療中に一時的な咬合痛や冷温水痛、若干の歯肉の腫れ、発赤などを生じることがあります。また仮歯の時期には仮歯の脱離や破損の可能性、舌感などに違和感を感じることがあります。
※すべて症例による違いや個人差があります。
治療担当
医師:宮本 庸一
歯科衛生士:杉山 裕季
トリートメントコーディネーター:宮本 秀子
症例紹介について
宮本歯科では厚生労働省が定めた医療機関ホームページガイドライン、ならびに医療広告ガイドラインに則ったホームページでの情報提供を実践しています。
ガイドラインでは、単純な術前術後の写真等、いわゆる「ビフォーアフター」を原則として(利用者保護の観点から)掲載を禁止していますが、患者さんの不利益にならないように要件を満たしている場合は、術前術後の写真等について広告(ホームページへの掲載)できるとされています。
より詳しい宮本歯科の医療広告ガイドラインの取り組みについては、「医療広告ガイドラインの遵守について」をご覧ください。